[ノスタルジアーク]と呼ばれる巨大な浮遊船。
船と言われど、船の形をしているわけではありません。
外見は立方体で透明な球体の膜に包まれており、中では大きな「街」を形成しています。
そしてそれは懐旧ノ方舟と呼ばれ、思い出を乗せたまま真っ暗な宇宙-ソラ-の中、微かに灯る光を見つけ、ただひたすら針の向く先へ進み続けます。
[ノスタルジアーク]の中で形成されている街「イストワルアーク」。
その街の中心広場となっている場所が「フェスタデティ」です。
フェスタデティに置かれているエメラルド色の鏡のような透き通った等身大のオブジェクト。
今日もそのどこからか誰かの声が聞こえました。
針を一旦合わせます。
あなたの声のした方へ。
声がしたのは深い霧に包まれた森の中。
あなたはそこにいました。
そっと手を差し伸べ、囁きます。
"あなたの求めるものは、ここにはないかもしれません。"
"あなたのやりたいことは、あなた自身で掴むもの。"
"ここはそれを、勇気を出す力を分けるだけ。"
"あなたのしたいことは、なんですか――?"
一方で、フェスタデティとは正反対に位置するもう一つの広場、「ノスティアルベーネ」。
人通りがとても少なく静かで、1つポツンと設置された街灯が仄かにその場を照らしています。
[ノスタルジアーク]から出ることのできる、唯一の扉です。
また誰か、そこに立っていました。
さようなら。またね。
それだけを交わし、あなたはこの街を出ました。
一方で、イストワルアークでは欠かせない「方舟会」。
街の皆がフェスタデティを中心に集まって、月に1度のバザールを開催します。
歌に踊りに美味しい食事に、忘れられない良い思い出を皆で作る大切な時間です。
一方で、[ノスタルジアーク]の深い深い場所に位置する小さな部屋。
そこには誰も来ません。
その部屋の扉は、乱暴に開けようとすると硬く閉じられてしまいます。
[ノスタルジアーク]が硬く閉じるのです。
あなたはその扉を、開けられるでしょうか。
開けた先に、何が在ると思いますか。
[ノスタルジアーク]一つの心から産まれた特別な舟です。
呼吸のしやすい、綺麗な自然-環境-に。
街の人達の声で賑わうそんな場所に。
あなたという大事な住民の声が、元気が、勇気が、[ノスタルジアーク]に届きますように。
onpu/noah